イタリアワインに関する著名なワインガイド・マガジン
BIBENDA(DUEMILAVINI)
ビベンダ(ドゥエミラヴィーニ)
2000年からドゥエミラヴィーニとして刊行。イタリアソムリエ協会(AIS →FIS)が出版しているイタリアワインガイド。2013年度版からビベンダに名前が変わりました。
ドゥエミラヴィーニとは「2000のワイン」という意味です。50人のソムリエがイタリア全州において、全てブラインドで試飲をして選びます。ワインの評価は2個から5個までの葡萄の房(グラッポリ)で表示されています。5房のワインは再度試飲されます。
紙面は見易く、各州のレストランワインバーのガイドやワインのD.O.C.、D.O.C.G.(原産地統制呼称)、グラッパ、食品のD.O.P.(原産地保護名称)の一覧、さらにワインのイベントが掲載されています。
2016年度版からウェブ(有料)のみの出版となっています。ソムリエ協会が作成していることもあり、プロ向けで、まさにイタリアの食文化をまとめたガイドと言えます。
Gambero Rosso Vini d'Italia
ガンベロロッソ ヴィーニ ディタリア
ガンベロロッソ社とスローフード協会の共同出版として始まったイタリアワインガイドですが、2010年版から、スローフード協会が協力関係を解消し、ガンベロロッソ単独の編集となりました。イタリア人がイタリアワインについて書いたガイドで、「ワインが造られている地域に生きている人間によって造られたガイド」(チェルニッリ)です。評価は1グラス(ビッキエロ)から3グラス(ビッキエリ)までの3段階評価。
まず州別の委員会において、カテゴリー別にブラインドで試飲が行われ、1グラス、2グラスまでの評価が行われます。さらに特に優れていると思われるワインを8人のエキスパートが再度テイスティングをして3グラス(トレ ビッキエリ)が決定します。
赤2グラスは3グラスを選ぶ段階で最終選考に残ったワインです。*(アスタリスク)はコストパフォーマンスが特に優れたワインです。2011年から、最高責任者チェルニッリの個人的なお気に入りワインとしてトレ ビッキエリ プラス、特に環境を尊重して造られたワインを「ビッキエリ ヴェルディ」が新設されました。
イタリアを代表するワインガイドで、市場に与える影響力も大きなものとなっています。2014年度より日本語版「イタリアワインガイド」(講談社MOOK)が出版されています。これにより日本にもガンベロロッソの影響がより反映されてきています。
Berebene del Gambero Rosso
ベーレベーネ デル ガンベロロッソ
同じくガンベロロッソによるワインガイドで、手頃な価格のお買い得ワインを集めたバイヤーズガイドです。
特にコストパフォーマンスに優れたワインがプレミ クワリタ プレッツォに選ばれ、その中から州のプレミ クワリタ プレッツォ レジョナーリが、さらに赤・白1種づつがその年のプレミ クワリタ プレツォ ナツィオナリに選ばれます。
アルマナッコ デル ベーレベーネ、次いでベーレベーネ ロウ コストと名前変更されています。
Le Guida de L'Espresso Vini d'Italia
レ グイーデ デ レスプレッソ ヴィーニ ディタリア
2002年創刊の、イタリア有力新聞社「エスプレッソ」によるワインガイドです。生産者から寄せられるワインの他に、買い付けて
テイスティングしたものも含まれているため、他誌が扱わないマイナーなワインまで評価されています。
評価は20点満点で、12点から0.5点きざみで採点されています。巻末に優良ワイナリーの紹介も載せています。なお、2017年度版から、点数評価が無くなり、「買うべきワイン 100」などのお薦めワインと、そこにワインが選ばれた生産者説明、別にD.O.C.別のワインのスタイルとなりました。2010年に、ワイン王国社から日本語版の「イタリアワインランキング」が出版されています。
Guida Oro I Vini di Veronelli
グイダ オロ イ ヴィーニ ディ ヴェロネッリ
1988年創刊。ガンベロロッソと肩を並べるバイヤーズガイド。創刊したルイージ ヴェロネッリはイタリアのワイン、フード界の重鎮
でした。(2004年9月に逝去)現在はジジ ブロッツォーニとダニエル トーマシスの二人で試飲、執筆を担当しています。
評価は100点満点で、さらに良いワインに付ける星(3〜1)興奮したワインには太陽のマーク、初登場のワインにはクローバーのマークが付いています。最高評価スーペル トレ ステッレは94点以上のワインに付けられます。
Annuario dei Migliori Vini Italiani
ルカ マローニ ベストワイン年鑑
ローマ生まれのルカ マローニ氏は、故ルイージ ヴェロネッリ氏の下でイタリアで最初のテイスティングガイドを創刊した際の責任者でした。ワインの果実味を心地良さに重点を置くという、ここにご紹介した上記5種類のワインガイドの中で最も個性的な採点となっています。3つの項目について各33点満点で評価し、満点が計99点で最高得点となります。
巻末には、生産者順位、ワイン順位表(総合、色別、種別、品種・タイプ別、評価項目別)も記載されています。
slow wine guida
スロー ワイン グイダ
スローフード協会がガンベロロッソと分かれた後に出版するようになったワインガイド。2011年から。このガイドの特徴はワイン
への点数は付けないことで、実際に訪問して生産者の情報をふんだんに盛り込もうとしています。
ワイナリーの評価は、
1.かたつむり(テロワール、環境、特徴などの価値を表現しています)
2.ボトル(すべてのワインが高いクオリティー)
3.コイン(すべてのワインのクオリティプライスが高い)
ワインの評価は
1.Vino Slow(クオリティが高く、かつ土地の特徴や歴史を表現)
2. Grande Vino(クオリティが非常に高い)
3. Vin Quotidiano(コストパフォーマンスが非常に良い)となっています。
また、掲載項目はVITA(生産者)、VIGNE(畑)、VINI(ワイン)に分れ、さらに肥料、農薬(種類) 、除草(手、機械)、酵母(土着、選別)、葡萄(所有、購入など)、認証(オーガニック等)についても記載しています。
世界の著名なワインガイド、ワインマガジン、ウェブサイト
ザ ワイン アドヴォケイト
THE WINE ADOVOCATE
フランスをはじめイタリア、ドイツ、アメリカその他の国のワインについてロバート パーカーJr.と信頼のおけるスタッフが試飲し
コメントを述べ、100点満点で評価をしています。
ワインは70%自分で買い、残りは自発的に送られてくるサンプルを試飲し、毎年3カ月にわたって生産地を訪問する旅も、全部自費で行っているということです。そういったスポンサーを持たない中立の立場と、試飲したもののみについてコメントするという姿勢が、彼のワイン評論を信頼しうるものにしています。それらの試飲を元に、「ボルドー」、「ブルゴーニュ」、「ローヌ ヴァレィ」といった、その地方について詳細にわたってまとめた本も出版しています。また、手頃な価格のワインのみを集めた「パーカーズ ワイン バーゲンズ」もあります。ウェブサイト(有料)もあります。2012年12月、ロバート パーカーJr.は経営から離れ、評論活動に専念する形となりました。{隔月刊、英語}
ワイン スペクテーター
WINE SPECTATOR
アメリカを代表する大判のワイン雑誌。影響力も大きく、高得点を獲得したワインの価格が急騰することも珍しくありません。
ワイナリー訪問レポート、ジャンル別比較テイスティング、産地情報など多岐に渡ります。業界有名人のコラムも多数。食材やレストランなどワインに関連した広範囲な記事も満載です。ウェブサイト(有料)もあります。{基本的に月2回刊、英語}
デカンター
DECANTER
イギリスを代表するワイン雑誌で、試飲は星印あるいは点数による評価つきです。テイスティングコメントが比較的平易な英語で書かれています。代表的な産地の情報が得られます。ウェブサイト(有料)もあります。
ヴィノス
VINOS
かつてワインアドヴォケイトの一員だったアントニオ ガッローニによるウェヴサイト。2014年インターナショナル ワイン セーラー
を買収し、ステファン タンザーを始めとしたその評論スタッフも引き継ぎました。{英語、有料}
インターナショナル ワイン セーラー
INTERNATIONAL WINE CELLAR
アメリカのスティーブン タンザーとスタッフによる評価誌。100点満点で採点。個々のワインの評価だけでなく、生産者やヴィンテージについての豊富な最新情報が特徴です。2009年秋よりウェブ版へと移行、さらに上記「ヴィノス」に買収されました。{隔月刊、英語}