SARTARELLI サルタレッリ
住所 : Via Coste del Molino, 24 - 60030 Poggio San Marcello (Ancona)
設立 : 1972年
オーナー : Donatella Sartarelli と Patrizio Chiacchiarini
エノロゴ : Alberto Mazzoni
年間生産量 : 280,000
所有ブドウ畑 : 40ha + 10ha(借用)
上質な白ワインのみを生産するマルケのワイナリー
イエージの町から10kmほど離れたモンテカロット(Montecarotto)村のサルタレッリ家のセラーは、300〜350mの丘陵地帯にあり、畑はほとんどセラーに隣接しています。古い機械を使用して、地表から深い所に苗を植えています。肥料は農協からの家畜の糞を固形にしたもの、害虫にはフェロモンを使用。苗木屋には3〜4種類しかないので、古い樹齢の葡萄を分析して、32種類の苗木を開発しました。3つのクラスとも醸造は全てスレンレスタンクを使い、同じ方法で行っており、違いは畑と収穫方法のみです。彼は、「最近スタイルを真似する生産者が多いので困るよ。」「ワインは畑で出来るものだ!!毎年醸造過程は同じだけれど、品質は年によってずいぶん差がある!!」と話して下さいました。息子のトマーゾは2011年に醸造学校を卒業し、畑のアグロノミストと一緒に働いています。サルタレッリ家のワインは、多くの人がいだいているヴェルディッキオのD.O.C.のイメージを一新させることでしょう。
最高のコストパフォーマンス ★★★
この低価格ながら2010年のヴェルディッキオ・クラシコはパーカーポイントとして有名なワイン誌「ワインアドヴォゲイド」から88pointの評価を受けています。2008年のヴィニタリーでも最もコストパフォーマンスの高い白ワインにサルタレッリのクラシコが指名されました。数多い土着白品種の中でヴェルディッキオが最も高いポテンシャルを持っている品種の1つということは間違いありません。
更にカステリ・ディ・イエジ地区はイタリアでも有数のハイコストパフォーマンスを誇る地域であり、サルタレッリはその高い品質で早くから注目を集めてきた。50ha以上の広大な畑を持ち、内30ha以上がベースのヴェルディッキオ クラシコに充てられる。一家族が経営するカンティーナとしては広大な畑だが、長い歴史の中で一度も品質至上主義を崩していない優良生産者。カステリ ディ イエジを引っ張ってきたのは間違いなくこのカンティーナである。
サルタレッリはパトリッツィオ・キアリーニ氏と夫人のドナテッラが経営しており、エノロゴはアルベルト・マッツォーニ。パトリッツィオは1990年まではパン職人であった。義父が1970年に14haの葡萄畑を購入し、少しずつワイン造りにのめり込んでいったが、1989年に義父が亡くなってしまう。パトリッツィオはこれを引き継ぎ一気に品質を高めていった。
収穫量の60%は地ワインとして地元で直売
畑では防虫剤、除草剤は使わず、有機系肥料は必要に応じて使用する。一定期間、一定量に限って雑草も繁らせる。アンコーナの北西に広がる畑は基本的に南東〜南西向き。樹齢は平均20年程度。(ベースのクラシコは平均15年樹)驚くべきことに生産量の60%は地元で量り売りされている。これは選別された良い葡萄のファーストプレスだけを商品にすることで品質を高める工夫であり、このお陰でリーズナブルな価格も実現できているのだ。
36種のクローンを混植
現在、カステリ ディ イエジではほとんどの造り手が病気に強く、多産で育てやすいクローン3種を植樹している。しかしサルタレッリは違う。昔のカステリ・ディ・イエジを表現すべく36種類のクローンを混植している。『昔はクローンという考え方自体が存在しなかった。だから自然と畑の中で様々なクローンが共存し、熟度、酸度、凝縮度、どれをとってもそれぞれにばらつきがあった。これこそがワインにメリハリを与えていたのだ』ワインはより複雑味を持つようになった。サルタレッリを一躍有名にしたのはバルチャーナと呼ばれる遅摘みによる辛口ヴェルディッキオ。バルチャーナの畑は北東斜面に位置する為、急激な糖度の上昇は避けられる。よって貴腐菌が付くまで収穫を遅らせることも可能になる。(2008年の収穫は11月3日〜18日の間6回に分けて収穫)
【スパークリングワイン】
サルタレッリ ブリュット N.V. Vino Spumante Brut N.V.【白・辛口】ヴェルディッキオ
海抜300m、南-南東向きのなだらかな斜面に畑があります。グイヨ仕立て。輝きのある緑がかった色調。カモミールの花やパイナップル、柑橘フルーツの香り。ほのかにイースト香もあります。酸味のフレッシュさを楽しめる辛口です。
【白ワイン】
ヴェルディッキオ クラッシコ Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico【辛口】ヴェルディッキオ
平均樹齢15年程度の比較的若い畑。南東〜南西斜面、標高350m。畑は非常に広く31haにもおよぶ。有機肥料のみ。収穫も全て手作業と、この畑の広さににも拘らず徹底されています。醸造に関しては品種個性を表現する為に余計なことをしないのが第一に。第二に優しく扱うことと酸化を防ぐことです。
ヴェルディッキオ トラリヴィオ Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Superiore Tralivio【辛口】ヴェルディッキオ
15haの単一畑から醸造されています。区画ごとに熟度を見て別々に収穫。ベースのワインと違い厳しい選果を行い除梗せず空気圧で優しく圧搾し、低温で発酵させます。日照条件の良い畑なので凝縮度が高めで噛み締められるようにねっとりとした質感があります。
ヴェルディッキオ バルチャーナ Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Superiore Contrada Balciana【辛口】ヴェルディッキオ
北東斜面で特異な気象条件を有する9.5haの畑です。11月末までに数回に分けて収穫を行っています。収穫は1本の葡萄樹に対して4〜5房に制限し、20hl/haまでにおさえることにより、ヴェルディッキオでもトップクラスの凝縮度を誇ります。一部には貴腐葡萄も混ざるため、独特の風味があります。
【デザートワイン)
パッシート Verdicchio dei Castelli di Jesi Passito【白・甘口】ヴェルディッキオ
色調は琥珀色です。杏子や干しブドウ、オレンジ、キャンディ、ハチミツ、アーモンドタルトなどの香り。口に含むとねっとりとした甘味を感じます。酸味はフレッシュでバランスが取れています。アフターも長めで柑橘系キャンディのニュアンスが残ります。